ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
フン こんにちはフンです。今日のこの時間はベトナムの初の大学とされている文廟についてご紹介しましょうか?
ホアイ 新年らしいいい話題ですね。ハノイの文廟は1070年に建立されました。その後、1076年には国内初の大学となる国子監が敷地内におかれ、王族・貴族の子弟や官僚が学んでいましたが、これにより、学問にご利益のある場所として、観光客だけでなく多くのベトナム人が訪れていますね。
フン そうですね。文廟門の門は二重になっている三関門で、もともと木造でしたが、17世紀に石造りに建て替えたと言われています。門の右側には成功と幸福の象徴である昇り龍が、そして左側には力と権力の象徴である虎が刻まれます。
ホアイ 現在、この文廟門は中央部分だけが開かれていますが、かつては王族や高官専用の門として使用されており、一般市民は左右にある、小さい門から出入りしていましたね。
フン そうですね。まっすぐ伸びたオレンジ色の道は、バッチャン焼の煉瓦が敷かれています。この道をまっすぐ行くと、2つ目の門となる大中門に着きます。朱色の柱に、瓦屋根の上を跳ねる鯉の姿が印象的ですね。
ホアイ 鯉は困難に打ち勝ち成功を収めるものの象徴ですからね。続いて奥へ進んでいくと、3つ目の門に行き当た ります。この門は奎文閣といいます。実はこの奎文閣こそハノイの象徴なのです。ですから、ハノイ市のマークは、この奎文閣が使われます。ベトナムの歴史学 者ズオン・チュン・コクさんは次のように語りました。
(テープ)
「ハノイのホアンキェム湖とその真ん中にある亀の塔は宗教的な意味があり、そして、一柱寺は建築のシンボルですが、仏教につながっています。そのため、文廟の奎文閣だけ、ベトナムの文化を象徴するものですから、ハノイのシンボルとして選ばれるのは理に適っています。」
ホアイ 一方、ハノイに詳しい歴史学者であるレーバンラン教授は次のように語りました。
(テープ)
「ハノイのシンボルとして奎文閣を選ぶ時、私たちはいろいろと討議しました。奎文閣の「奎」とは「奎の星」の閣で、この星はベトナムの文化、教育の象徴です。ハノイの文化は千年の歴史があるため、この奎文閣を選ぶのは正しいと思います」
ホアイ ラン教授はこのように語りました。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。
はい。「ハノイを思う」という歌をお聴き頂きましょう。
フン では、。話を続けましょう。奎文閣をくぐると、ティエン・クアン、つまり、天の清の井戸という名前の池に出会います。その両側には石碑がずらりと並んでいます。
ホアイ これは昔の官僚登用試験である科挙の合格者の名前と出身地が刻まれています。石造の亀が碑を背負っています。これらの石碑は昨年ユネスコ国連教育科学文化機関により世界記憶遺産として認定されましたね。
フン ベトナムの科挙制度は1075年に始まり、1919年に廃止されるまで続きました。実は中国が科挙制度を廃止したのがその14年前です。ベトナムは東アジアで最も遅く科挙制度を終えた国となりますね。
ホアイ そうですね。第4の門・大成門をくぐった先にあるのが、孔子が祀られている文廟です。文廟に入る前に、大成門の足元に注目してください。日本の神社にいる狛犬に似た動物が柱を支えています。これは守り神でもある「ゲー」という架空の動物です。
フン 門前に広がる広い庭の先にある拝堂には立派な祭壇がおかれ、訪問者たちが祈りを捧げています。祭壇の上には「萬世師表」と書かれていますが、これは「永遠に人々の模範となる師」という意味で、孔子を表す言葉です。
ホアイ この拝殿を抜けて大聖殿に入ります。大聖殿に入る際は、孔子に対して、失礼がないように必ず頭を垂れるように、ここの敷居は高く造られています。正面にあるのが孔子像です。受験シーズンになると合格祈願に多くの学生がここを訪れます。
フン そして、大聖殿の裏手にある建物が、ベトナム最古の大学・国子監です。国子監は1076年に時の皇帝・Ly Nhan Tong(リー・ニャン・トン)によって建立されましたが、1946年、抗仏戦争の際に完全に破壊されました。現在の建物は、2000年に再建されたもの です。
ホアイ 左右にある細長い建物は大学の授業が行われていた講堂です。中央の2階建ての建物の1階には、教師の一人であったChu Van An(チュー・ヴァン・アン)の座像の他に、今と昔の文廟・国子監の模型や、実際に国子監で使用されていた教材や筆記具などが展示されています。
フン 2階にはベトナムの教育の発展に貢献した3人の皇帝の木像が祀られています。「芸術の家」という意味を持つ会社のグェン・ガー( Nguyen Nga)社長は次のように語りました。
(テープ)
「一柱寺と文廟は重要な意義があります。しかし、一柱寺は宗教の面に意義があるものの文廟はベトナムの昔からの大学です。これはベトナムが教育面で長い歴史があることを示しています」
フン ガー社長はこのように語りました。では。おしまいに、歌をお聴きいただきながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
ホアイ 「 ハノイ」という歌」をお届けしました。リスナーのみなさん。新年最初のこの時間はベトナムの初めての大学とされている文廟についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。
記事作者: Minh Sinh
情報源: http://vovworld.vn
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